Amistad (1997) / アミスタッド

アミスタッド号事件を題材にスティーヴン・スピルバーグが映画化。ドリームワークス設立後、同社からのスピルバーグ監督作・第1号である。興業的には成功しなかったが、その内容は史実を忠実に再現したとされ、『シンドラーのリスト』に続く歴史映画の傑作として高い評価を得た。

Amistad (1997) / アミスタッドのあらすじ

19世紀半ば。屈強な男シンケ(ジャイモン・ハンスウ)は、ライオンを倒したその時から村では英雄となった。しかし彼は間もなく拉致され、奴隷船テコラ号でハバナに運ばれる。スペイン人のルイズ(ジェノ・シルバ)とモンテス(ジョン・オーティス)に買われ、53人の仲間と共に鎖に繋がれ、プエルト・プリンシペ行きのアミスタッド号に乗せられた。長い航海で彼らは飢え、白人たちに殴打され、食糧が不足しそうだとわかって虐殺される者まであった。港を出て3日目、キューバ沖で荒れ狂う嵐に翻弄される船の底で、シンケはついに鉄の首枷を外すことに成功する。鎖から放たれ、武器を手にした彼らは、自分たちを苦しめてきた乗務員を次々に惨殺した。だが船を乗っ取って2ヶ月後、着いたところは故郷ではなくアメリカだった。舵取り役として生かしておいたルイズとモンテスに騙されたのだ。シンケと生き残った仲間39人は、コネティカット州ニューヘヴンで投獄され、海賊行為と謀殺の容疑で裁判にかけられた。しかし、スペイン船籍であるアミスタッド号の「積み荷」の返還を求めるスペイン女王(アンナ・パキン)、自分たちが買った奴隷に対する所有権を主張するルイズとモンテス、船を拿捕したことに対する謝礼としての所有権を主張するアメリカ人将校など、さまざまな横槍が入り、裁判は中断してしまった。一方、シンケたちの苦境を救おうとする者も現れた。奴隷解放論者の富豪・タパン(ステラン・スカルスゲールド)と、タパンの資本で新聞を発行する黒人・ジョッドソン(モーガン・フリーマン)である。ふたりは元大統領のジョン・クインシー・アダムズ(アンソニー・ホプキンス)に助力を求めるが拒否され、仕方なく法廷で会った若い弁護士ボールドウィン(マシュー・マコナヘイ)を雇った。裁判が再開され、検事ホラバート(ピート・ポスルスウェイト)は船から押収した武器を証拠として突きつけた。ボールドウィンの論点はただひとつ、シンケたちがどこで生まれたのかという点だけだった。法律では、奴隷の子として生まれた者のみ売買が許可される。もし彼らがアフリカで生まれたことが証明できれば、彼らは非合法に拉致されたことになり、船での殺戮行為は不問になる。ボールドウィンはルイズたちが船に隠しておいた積み荷記録を見つけ出し、法廷に提出した。それはテコラ号が、奴隷所有の禁止されている英国領・西アフリカでシンケたちを不法に売買した動かぬ証拠だった。だが、彼らを有罪にできなければ目前に迫った大統領選挙で奴隷解放論者と見なされ、大票田である南部の支持を得られなくなると恐れた現役大統領ヴァン・ビューレン(ナイジェル・ホーソーン)は、自分の息のかかった新しい裁判官を送り込んだ。ジョッドソンとボールドウィンはアフリカの言葉を話せる人間を探し歩き、ついにアフリカ生まれの英国軍人コヴィ(キウェテル・イジョフォー)を探し当てる。通訳を得て、ふたりは彼らがここに至るまでの悲惨な航海の日々を知り、またシンケの知性と望郷の念に心打たれる。その後も長い長い審理が続いた。Give us free!(俺たちに自由を!)。その悲痛な叫びは、シンケが初めて覚えた英語だった。だが判事はついに彼らに無罪を言い渡した。シンケたちは篝火を焚き、歌を歌って勝ち取った自由を祝ったが、喜びの時は短かった。大統領が最高裁判所に上告したのだ。そんな中、ついにアダムズが重い腰を上げる。アダムズは幾度もシンケと対話を繰り返し、ふたりの間の理解は深まっていった。法廷でのアダムズの論点は「過去からの声に耳を傾けよ」ということだけだった。自由の国・アメリカを築いた先人たち、この法廷にもその胸像が並んでいる建国の始祖たちの、自由を求めた闘いを決して忘れてはならないと。結果、裁判はシンケたちの無罪に終わり、彼らは故郷へ送り返されることになった。シンケが新たに得た自由、そしてアダムズらとの深い心の交流。だがシンケが長い船旅を経てたどり着いた故郷にはすでに彼の村はなく、彼の家族も消えていたのだった。

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