Twilight Zone: The Movie (1983) / トワイライトゾーン/超次元の体験

ロッド・サーリングが生んだ人気SFテレビドラマシリーズ『トワイライト・ゾーン』を、ジョン・ランディス、スティーヴン・スピルバーグ、ジョー・ダンテ、ジョージ・ミラーという当時最も波に乗っていた4人の若手監督を起用して甦らせたオムニバス映画。

Twilight Zone: The Movie (1983) / トワイライトゾーン/超次元の体験のあらすじ

プロローグ 『REALLY SCARY』

深夜、クリーデンス・クリアウォーター・リバイバルの『ミッドナイトスペシャル』を流しながら車を走らせる2人の男。突然カセットテープが故障し、カーラジオも壊れていたため音楽を聴けなくなった2人は話を始めるが、やがて男の1人が言う。「本当に怖いものを見たくないか?」

プロローグに続き、テレビシリーズ『トワイライト・ゾーン』(「廃墟」のエピソード)にも出演したバージェス・メレディスのナレーションとともにお馴染みのテーマ曲が流れ、オープニングが始まる(オープニング開始から約22秒後に登場する目玉にちらりとロッド・サーリングの姿が映る)。

第1話「偏見の恐怖」 (『TIME OUT』)

人生のツキに見放された様な白人の男、ビル・コナー。全てに憤る彼のプライドは、他人種や異国民への酷い偏見と蔑視という形をとって現れる。バーで友人や黒人の客を前に悪態をつき、憎悪と怒りを覚えながら店を出たコナーの目の前に、見知らぬ町並みが広がっていた。

プロローグと第1話はジョン・ランディス監督・脚本による映画オリジナル。劇中、ランディスの代表作「アニマル・ハウス」に登場したニーダマイヤーについて語られる場面がある。
ベトナム戦争のシーンを撮影中に落下したヘリコプターのローターに巻き込まれるという悲劇的な事故により、主演のヴィック・モローとルネ陳欣怡と黎マイカ丁の二人の子役が死亡。モローにとっては再起を図った意欲作であっただけに、その死が悼まれる。当該シーンは本編からカットされ、エンディングは予定から改変を余儀なくされた(本来はベトナム人の子供二人を助けたところで我に帰る、というものだった)。その後、子役の両親と、撮影現場での安全管理の不徹底を指弾したモローの遺族がそれぞれ訴訟を起こし、監督のランディスら5人が訴追されたが非公開の補償金を払って和解にこぎつけた。この事故からランディスが負った精神的な傷は深く、彼はこのショックを長く引きずることとなった。
テレビシリーズにも見られる「偏見に囚われた人間がトワイライト・ゾーンに落ち込む」というストーリーだが、主演のモロー、サーリング、スピルバーグ、ランディス、ゴールドスミス、さらにワーナー・ブラザースも、出自はユダヤ系である。

第2話 「真夜中の遊戯」(『KICK THE CAN』)

舞台は老人ホーム「太陽の谷」。ここでの老人たちは全くの老人であって、未来への希望や生の喜びを失した人生を送っている。そこに新しく入居したブルーム老人が、懐からぴかぴかと光る銀色の缶を取り出し、「皆で缶蹴りをしたら、忘れていた喜びを取り戻せるかもしれない」と他の老人たちを誘う。そして真夜中、ブルームに起こされた老人たちは、規則を破って夜の庭で缶蹴り遊びを始めた。

本作の脚本にも名を連ねているジョージ・クレイトン・ジョンソンによる『Kick the Can:真夜中の遊戯』をもとにした、スティーブン・スピルバーグ監督、ジョージ・クレイトン・ジョンソン、リチャード・マシスン、それに”ジョシュ・ローガン”のペンネームで参加したメリッサ・マシスンが脚色した一編。ブルーム老人役のスキャットマン・クロザースは1984年度のサターン・アウォーズ最優秀ホラー・フィルム助演男優賞にノミネートされた。

第3話 「こどもの世界」(『IT’S A GOOD LIFE』)

平凡な人生に変化を求める教師のヘレンは、道に迷い立ち寄った食堂で、1人の少年と出会う。誤って少年の乗る自転車に車をぶつけたヘレンは彼を家まで送るが、アンソニーと名乗る少年の家族はとても奇妙だった。

ジェローム・ビクスビー『今日も上天気』が原作の『IT’S A GOOD LIFE:こどもの世界 』を、ジョー・ダンテが監督、リチャード・マシスンが脚本を書いた一編。アンソニー役のジェレミー・ライトは1984年度のヤング・アーティスト・アウォーズ 優秀助演男優賞にノミネートされた。アンソニーの暴走する希求により実体化するアニメのモンスター達の造形は、ダンテ監督の『ハウリング』でも特殊メイクを手がけたロブ・ボッティン(二人はロジャー・コーマンのスタジオで同僚だった)が担当した。冒頭の食堂のシーンには、オリジナル版のアンソニーを演じたビル・マミーとオリジナル版のプロデューサーであるバック・ホートンが出演している。

第4話 「2万フィートの戦慄」(『NIGHTMARE AT 20,000 FEET』)

飛行機恐怖症のジョン・ヴァレンタインは、飛行中の旅客機内でパニックに襲われていた。気遣うスチュワーデスに大丈夫だと言ったものの、恐怖感は鎮まらない。落ち着くための喫煙は咎められ、新聞を開けば見出しは「史上最悪の飛行機事故」。周囲の客は彼の神経をいら立たせ、外では雷鳴が轟き、稲光が走る。気分転換に窓の外を覗いた彼は、異様なものを目にする。

テレビ版のオリジナル・エピソード『NIGHTMARE AT 20,000 FEET:2万フィートの戦慄』の原作・脚本を手掛けたリチャード・マシスンが一部設定を変えてリライトし、ジョージ・ミラーが監督した一編。主演は1984年度サターン賞ホラー映画助演男優賞受賞したジョン・リスゴー。乗客の少女を演じたクリスティナ・ニグラはヤング・アーティスト・アウォーズ優秀助演女優賞にノミネートされた。乗客の一人として、サーリング夫人であるキャロル・サーリングが出演。

エピローグ

ヴァレンタインを病院へ搬送する救急車の運転手はサイレンを止め、音楽を流し始める。曲はクリーデンス・クリアウォーター・リバイバルの『ミッドナイトスペシャル』。そして運転手が言う。「本当に怖いものを見たくないか?」

エピローグはミラーがオーストラリアに帰国していたため、ジョー・ダンテが監督。エピローグに出演した(直接の絡みは無い)ダン・エイクロイドとドナ・ディクソンは、本作での共演が縁で1983年に結婚。

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